ことしもいよいよ押し詰まってきました。
初詣で筑波山にお参りに行かれる方に、ひとつの提案。
自動車は山麓まで、歩いてみましょう!
「えっ! 寒いし何で?」と思われるかもしれません。
筑波山への自動車道(筑波山口~筑波山神社入口~つつじケ丘)は
年何回は大渋滞を起こします。
ゴールデンウイーク、10~11月の紅葉シーズン、そしてお正月3が日。
渋滞がひどい時は、麓から神社入口まで2時間という場合も。
たいがい渋滞に巻き込まれると、「二度と来ない!」と思います。
ひととして、それが普通です。
で、提案が渋滞に巻き込まれず、人混みもまあまあ回避して
古き良き筑波山情緒を満喫する方法が「歩く」です。
さいわい1月1日(金)の茨城県南の天気予報は「晴れ時々曇」で
最高気温は12℃とまずまずのようです。
さあ、「歩く」モード高まってきましたね。
※紹介する画像は2014年1月撮影
筑波山口から臼井をへてつくば道を神社まで
では、コースの紹介です。
筑波山口(つくばさんぐち)=臼井(うすい)=つくば道=6丁目の鳥居=筑波山神社
※臼井から道をそれて「飯名神社」に詣でて、6丁目の鳥居を経るというコースも紹介します。
以下詳細な場所はgoogle map「筑波山マップ」を別画面で立ち上げてご覧ください。
また、見どころの詳細は『筑波山目的別ガイド』か
結エディットのホームページ「筑波山名所案内」の「yui-booksの本」の
「筑波山目的別ガイド」の「こちら」以降をご覧ください。
スタートは、「筑波山口」。
「筑波山口(つくばさんぐち)」は
かつての筑波鉄道の筑波駅で、バスターミナルとなっています。
主なバス路線は
- つくば駅からの「つくバス北部シャトル」
- 土浦駅からの関東鉄道バス
の2路線。
つくバスは、つくば市の運営するコミュニティーバスで、
北部シャトルは、
- つくばバスセンター③番のりばから出て
- 大穂窓口センター~筑波交流センター経由で
- 筑波山口まで約45分。
片道大人は400円ですが
1月1日から3日までの祝日土日は
1日乗り放題で500円の「1日乗車券」が使えるので、ぜったいお得です。
※乗車時でも良いし、つくばセンターの関鉄きっぷ売場(BiVi内)でも買えます。
また、つくばエクスプレスの「筑波山きっぷ」の路線としてつくバス北部シャトルも含まれているのです。
これ意外と知られていないのですが、自動車道が渋滞するときは、ゼッタイつくバス北部シャトルで筑波山口から「歩く」が正解です。
※ただ気をつけないと、渋滞発生により「筑波山きっぷ」が発売中止になることも。
土浦駅(西口)から筑波山口までは関東鉄道バスで、1時間に1本程度ですが、
料金が大人920円とやや高めなのと、割引などもないのが残念。
また、自動車で行く場合は、以下の3か所につくば市無料駐車場があります。
- 筑波口
- つくば道沿いの「神郡」
- つくば道沿いの「6丁目」鳥居
ただし台数が限られますので注意が必要です。
できればバスがお薦めです。
つくば道沿いの場所については、google map「筑波山マップ」をご覧ください。

筑波山口から少し歩いたところにある建物
筑波山口から臼井「つくば道」へ
たんに「歩く」のだったらつまらない。
ぜひ、名所旧跡を訪ねましょう。
まず筑波山口から臼井まで。
1㎞ほど歩いたら「飯名神社入口」と書かれた看板が民家の塀にかかっています。
そこを登っていくと500mくらいで「飯名神社」に着きます。
「飯名神社」は、いわゆる筑波山の里宮。
筑波山は、山そのものが御神体。
かなり古い時代の筑波山は、入山そのものが認められなかったといわれ
飯名神社は麓から筑波山を仰ぎみて祈る場所だったと思われます。
旧暦正月の初めての巳(み)の日に、祭礼が行われます。
※2016年は2月17日(水)
拝殿裏に清流が流れ、巨石を御神体として祀っています。
余裕がある方は、ぜひお立ち寄り、参拝することをお薦めします。
飯名神社をスルーという方は、道をまっすぐ行くと
やがてT字路にぶつかります。
そのぶつかった道が「つくば道」。
※飯名神社に登った方は、
飯名神社からさらに200mくらい登った先の十字路を
右に行けば「つくば道」の「6丁目の鳥居」に出ます。
「つくば道」は、北条商店街から筑波山神社までの
4㎞(約1町)のかつての参道で
江戸時代、3代将軍の徳川家光の時代に開かれたとされます。
ここから上が登りで坂道となります。
つくば道の風情を楽しみながら
臼井から登りとなる「つくば道」の両側には
人家が立ち並び、スイセンの花などが楽しめます。

筑波山口から少し歩いたところにある建物
なんといっても筑波山の南側斜面でぽっかぽか。
ほかで風が吹いていてもこのあたりは穏やかということもたびたび。
しばらく500mほど登ると石の鳥居が見えてきます。
「6丁目の鳥居」です。正式にいえば「一の鳥居」。

筑波山口から少し歩いたところにある建物
つまりここから上が筑波山の神域で、その初めての境です。
4月1日と11月1日の筑波山神社の祭礼「御座替祭」の
「神幸祭」の神輿はここから神社拝殿を目指して渡御(とぎょ)が行われます。
6丁目の鳥居の回りには実は数多くの文化財があるのですが、
紙幅の関係で省略。
ここからのつくば道は傾斜が急になりますが、
時折、歩いてきた方角を振り返ると
天気が良ければ麓の風景がばっちり観られます。
約500mほど進むと道が二叉に別れるので、右へ。
※左でも同じ道にでるので、ご安心を。
「もうだめ、きつい」と思った先に石段が現れます。
なにを隠そう、かつては(30年ほど前)、
6丁目の鳥居から上は石段が続いていたのです。
江戸時代の名残の石段は、ここにあるだけ。
貴重な石段です。
その石段をやっこらと登ると右手にあるのが
「旧・筑波山郵便局」。昭和初期の建物で、
屋根の「〒」マークなどいい味を出しています。
さあ、ここで小休止したら筑波山神社までもう少し。
県道をわたって、さらに細い石段を登ると
ぱっと視界が開けます。
お土産物屋さんが立ち並び、
筑波山神社境内です。
人もまばらなつくば道を歩いてくると
なんだか懐かしい人混みがあるはずです。

初詣客でにぎわう筑波山神社境内
このお正月、こうして歩けば、自動車の渋滞に
「やんなっちゃう」とグチることなく
江戸時代から続く名残をじゅうぶん満喫する
小旅行が楽しめるはずです。
ここまで早足で40分、ゆっくりで1時間~1時間30分の道のりです。
また、帰りは歩きたくないという方は
「筑波山神社入口」から「沼田」まで
「直行筑波山シャトル」をご利用ください。
これも意外と知られていないのですが、
「直行筑波山シャトル」は途中での下車が可能なんです。
さあ、地球(ジオ)に優しいお正月の初詣、十分にお楽しみください。
そして、心にとまった風景があったら
より深く筑波山に親しんでいただければと思います。
ではでは、すばらしいお正月をお送りください。
参考文献
『筑波山目的別ガイド』