2015年の気候(後半:7~12月)

日本気象協会の「観測」の「過去天気」を見ながら振り返る
2015年の気候。
前半は、つくばで4月の大雪、6月の短時間での集中豪雨と
「荒れ模様」が出始めていた。

後半の7月から9月にかけては夏。
気象庁発表のエルニーニョ現象による冷夏のイメージは
・次々と発生する台風
・東京で連続8日間の猛暑日が続いたなどの高温
と異例づくめだった。

夕焼けがやけにきれいな7月

エルニーニョ現象の年の梅雨。
関東は少雨。逆に西日本では、上旬は梅雨前線の影響で曇りや雨の日が多く、気温がかなり低い傾向となった。

上旬は、梅雨前線が本州南岸に停滞することが多く、東・西日本太平洋側と沖縄・奄美を中心に前線や湿った気流の影響で曇りや雨の日が多かった。
中旬以降は、日本の南東海上で太平洋高気圧の勢力が強まり、北・東日本を中心に高気圧に覆われやすく、晴れた日が多かった。(気象協会のサイトより)

7月中旬以降は平年並で、7月の月平均気温としては2007年以来8年ぶりに低かった。
この夏、あるいは1年を印象づけるのが夕焼けの見事さ。
あまりのきれいさに、「なにか大変なことの予兆では?」
などども思ったのも事実。

【印象深かったこの日、この天気】

夕焼けがきれいななことを、
ストーム・チェイサー、青木豊さんに告げるとひとこと
「ことしは湿気がやたら多いのが影響しているんじゃないですかね」。
たっぷりと湿気を吹くんだ大気が、
9月10日(木)の関東・東北豪雨をつながったのかも。
・以下は、7月24日のFBの書き込み

今年は、不気味なほど夕焼けが見事
SNSの友人達がアップする空の画像を楽しむのが日課になった
2015年だからこそなのか?
ストーム・チェイサーという男を知ってしまったからなのか?
空が気になる

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7月30日に観察した局地前線に発生する「アーチクラウド」

猛暑日の8月、台風がペアでやってきた

7月後半から暑さが本格的になった。

上旬は、太平洋高気圧が本州付近に張り出し、北日本から西日本にかけて晴れて気温が高くなった日が多く、各地で猛暑日となった。(気象協会のサイトより)

とくに関東地方の暑さは厳しかった。
東京では観測史上最長の、連続猛暑日が7月31日(金)から7日(金)までの連続8日間続く。8日(土)の立秋は、偶然にも最高気温が32.6℃となりとぎれた。
逆に沖縄は猛暑日を観察しなかったという異例の事態に。

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8月7日のアメダス気温図。日本列島がまっかな唐辛子に!

8月1~2日と千葉幕張メッセでそら博ウェザーニューズ社主催)に、ストーム・チェイサーのブースが設けられたので、青木豊さんといっしょに参加。

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そら博の会場で、ストーム・チェイサー、青木豊さん

会場の幕張は、猛暑。おなじメッセで行われていたゲームのイベントでは朝10時に入場待ちの参加者が熱中症で救急車が出る事態に。
この日は、栃木県でダウンバーストが発生。
8月から9月にかけて、ダウンバースト、雹、旋風、竜巻などの被害があちこちで発生したというニュースをよく見た。

【印象深かったこの日、この天気】
8月16日(日)
お盆休み最終日。
この日、午後、筑波山の山並みを長く這うような雲が現れた。
大蛇雲(おろちくも)だ。
ストーム・チェイサー、青木豊さんがつくばに来ていて観察。
以下は、それを紹介した「筑波山名所案内」のFBページの記事

筑波山におろち雲が現れた。
お盆休み、みなさんいかがお過ごしでしたか?
休みの最終日の午後3時半過ぎ頃から5時くらいにかけて、筑波山に大変珍しく、雄大な雲、「大蛇雲」が懸かりました。
シェアした青木豊さんの写真がそれで、
青木豊さんは、著書『ストーム・チェイサー-夢と嵐を追い求めて』では、以下のように書いています。
<まれですが、筑波山の西側では山頂付近に横長の雲が現れることがあります。これは、山が堤防の役目をしていることが原因で、山の東側でせき止められた霧があふれて頂を越え、山の西側に流れ込む過程で形成されます。俗に「大蛇(おろち)雲」と呼ばれる雲で、山の頂から中腹に懸かる横長の層雲(霧)が大蛇のように見えるため、そう呼ばれます。>
『ストーム・チェイサー-夢と嵐を追い求めて』の「わが故郷の筑波山とお天気」P108~109

今年の天候を振り返る時、真っ先に上げられるのが12月まで毎月発生した台風だろう。
その数の多さもさることながら、2つ台風が同時に西と東にペアで大きな影響を与えたという点だろう。とくに8月から9月にかけてペア台風が顕著になった。
以下は7月から9月にかけての主な台風の動き(☆印はペアの台風)。

・台風第9号=7月10日頃沖縄・奄美に接近し、沖縄・奄美では暴風雨となった。
・台風第11号=7月16日に高知県に上陸し、17日に日本海に進んだ。
・台風第12号=7月25日から26日にかけて奄美地方や沖縄本島地方に接近した。
☆台風13号・14号=13号は台湾から中国大陸に上陸。8月12日に温帯低気圧に変わったものの、日本海を東進。12日は台風13号崩れの前線と東側の台風14号から湿った空気が入り込み、荒れ模様。
☆台風15号・16号=8月23日の天気図を見ると台湾に上陸する台風15号と、日本の東南方向に台風16号がある。この後、台風15号は25日に熊本県に上陸した。
☆台風17号・18号=9月10日の関東・東北豪雨をもたらした2つの台風。実際は、台風17号は9月9日に東海地方に上陸し、その後、日本海に抜けて温帯低気圧に変わった。そこへ日本の東南方向にある台風17号からの湿った空気が流れ込んだことが大雨の原因に。

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8月7日、近くの公園で見つけたタマムシ

豪雨、鬼怒川が決壊した9月

荒れた気候の2015年、今振り返ると9月にそのピークが現れたといえる。

11日頃までは、低気圧や前線が日本付近を通過することが多く、東北地方から奄美地方にかけては8月下旬から引き続いて、曇りや雨の日が多く気温の低い日が続いた。
9日には台風第18号が東海地方に上陸し、東日本太平洋側を中心に広い範囲で大雨となった。さらに、日本の東海上を台風第17号が北上した影響も加わり、関東地方から東北地方では南から湿った空気が長時間にわたって流れ込んだため、記録的な大雨になり河川の氾濫など大きな被害が生じた(平成27年9月関東・東北豪雨)。(気象協会のサイトより)

 

【印象深かったこの日、この天気】

9月10日(木)の一日を気象協会と気象庁のサイト、筑波山名所案内FBの書き込みを引用しながら振り返ってみる。

2015年09月10日の天気概況
栃木県と茨城県に大雨特別警報。降り始めからの雨量は栃木県日光市今市などで600ミリを超え、茨城県古河市で約300ミリとこれまでに経験したことのない大雨。茨城県常総市で鬼怒川の堤防が決壊し住宅地が浸水。福島では会津を中心に50年に一度の大雨。都心も270ミリ超。(気象協会のサイトより)

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9月10日の午前3時の天気図。 日本海にある低気圧が台風18号から変わったもの。太平洋に台風17号があり、湿った空気が流れ込んだ

気象庁は9月10日の鬼怒川堤防決壊をはじめ多くの水害をもたらした大雨を「平成27年関東・東北豪雨」とした。以下はその概要。

今年9月9日から11日にかけて、関東地方から東北地方で大雨が降り、大きな災 害が発生しました。最初は台風第18号から変わった低気圧、後には台風第17号の 周辺からの南東風が主体となり、大気下層に温かい湿った空気を継続的に流入させ、 上空では気圧の谷の東側で南風が強まっていました。このような大気状態が持続し たことによって、台風第18号のアウターバンドから変わった幅100~200kmの南北 に伸びた降雨域の中に、多数の線状降水帯が近接して発生し、降水の集中が引き起 こされました。(気象庁HP「平成27年9月関東・東北豪雨の発生要因 ~2つの台風からの継続的な暖湿流の流入と多数の線状降水帯の発生~」より)

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気象庁の「平成27年関東・東北豪雨」のレポートより

台風の雲の「腕」が長く延びた「アウターバンド」。帯状に真っ赤に連なったレーダーの雨雲「線状降水帯」がテレビの天気予報に登場した。

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7月30日に観察した局地前線に発生する「アーチクラウド」

以下は、9月10日(木)の「筑波山名所案内」FBの書き込み記録。

7:00頃
栃木県、茨城県が特別警戒警報(50年に1度の災害の発生の危険性が高まった時に出す)を出した。昭和57年の小貝川の決壊を思い出すと「下館河川事務所」のサイトをシェア8:00過ぎ つくばみらい市の友人のYさんの鬼怒川の様子をシェア
10:00過ぎ つくば市が9時45分に出した避難準備の情報をシェア
12:00過ぎ FBページ「筑波山名所案内」に昭和56年と昭和61年のの小貝川の決壊について分析したページをシェア
13:30過ぎ 那珂川の水位が上昇しているために水戸市が出した避難勧告のNHKニュースサイトをシェア
15:00前後 鬼怒川の堤防が決壊したNHKニュースのサイトをシェア
15:30過ぎ 桜川の堤防の越水のNHKニュースのサイトをシェア
16:00前 友人のOさんの15:25に出された桜川地域避難勧告の情報をシェア

実際は翌9月11日以降に、鬼怒川の東側の常総市で水害の被害が広がっていった。

そして、決壊した鬼怒川について、1万年単位での歴史をブログで振り返った。
1回目
2回目

穏やかに平年並み!の10月

9月が災害の月だったとすれば、10月はなんと穏やかだったことか。そして続く11月の暖かさの兆しは無かった。まさに「平年並み」。一年を通して「平年並み」ということばのなんと貴重なことか!

東日本以西は月の前半は寒気が流れ込みやすく気温が低かったが、後半は暖かい空気に覆われて高く、月平均気温は平年並となった。(気象協会のサイトより)

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桜川市のそば畑が花盛り(10月12日)

【印象深かったこの日、この天気】

10月18日
八郷(石岡市)の小学校の廃校跡「朝日里山学校」で、八豊祭が開かれた。
つくばセンターから期間限定の「やさとフルーツ号」でお出掛け。
もったいないくらいの秋日和に、収穫を感謝し、里山100選の八郷に秋を満喫した。

 

冬が訪れない11月

毎年冬の到来を、11月1日の筑波山神社の御座替祭で感じる。
もちろん年ごとに暖かかったり、寒かったりするのだが、ことしの御座替祭は用事があって観られなかった。だから、というわけではないが、冬を実感することなく11月が終わってしまった、というのが実感だった。

冬型の気圧配置が現れにくく、低気圧と高気圧が交互に通過して、天気は数日の周期で変わった。
期間を通して北からの寒気の流れ込みが弱く、南からの暖かく湿った気流の影響を受けて全国的に気温の高い日が多かった。特に中旬は記録的な高温となり、月平均気温は東・西日本と沖縄・奄美でかなり高く、沖縄・奄美で平年差+1.7℃と、1946年の統計開始以降で最も高い記録を更新した。(気象協会のサイトより)

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11月7日。秋の気配はあるものの冬いまだしの筑波山麓

【印象深かったこの日、この天気】
11月24日(火)
山形で冬らしい強い北風を体験。
なかなか冬を実感できないでいたが、仕事で山形県へ。
新幹線を降りた山形駅は、ぴゅーと寒い風が頬を切る。冬がここまで来ていた!
単線に乗り換えて仕事を終え、夕方、汽車を待つ駅。
待合い室の窓の外は北風が強く、いまにも雪が降りそうだった。
翌25日(水)も、つくばで山形のあの寒波がやってきた。
慌てて暖房器具をひっぱり出した。

北日本では朝は冷え込み、札幌は最低気温が氷点下1度3分と今季初の冬日。北日本付近を通過した低気圧の影響で、北海道は今季初めて本格的な積雪となった。札幌の最深積雪は29センチ、釧路は8センチ。本州の日本海側は曇りや雨。太平洋側は晴れ間があり暖かかった。(気象協会のサイトより)

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11月24日の山形県は強い北風が吹いていた

夏のあの暑さを思い出す12月

さすがに12月にもなると寒波がやってきた。12月初旬は平地の多いつくばでは紅葉(黄葉)が見ごろになる。ところが、イチョウ並木は黄色く色づいているのもの、まだ緑の葉が残っていたりとまだら模様。

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11月29日、つくば市内の公園にて。まだ緑の葉も残っている

三寒四温は寒の頃に、三日寒かったら四日は過ごしやすい天気の変化を言い表すことばだけど、今年の12月は秋の終わりというのが正直なところ。暖かな日が続いた後に少し寒い日がやってくる、四温三寒なんてことばはないけどそんな感じ。

そして12月に台風27号が発生

11日午後3時、カロリン諸島で台風27号「メーロー」が発生。今年の台風は1月から12月にかけて毎月連続で発生。さらにさかのぼると2014年6月から19か月連続で発生しています。

【印象深かったこの日、この天気】
12月11日(金)
夏の猛暑日を思い出させるかのように、20℃を越えた地域があちこちに。
この日、土浦の最高気温23.5℃を記録した。

翌12月12日(土)は、フランス・パリで開催されていた国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第21回締約国会議(COP21)で、全ての国が参加する2020年以降の新たな国際枠組み「パリ協定」を採択して、閉幕した。
そして12月21日(月)、気象庁は2015年の1年の世界と日本の気温がそれぞれ記録的に高くなることを発表。その原因として地球温暖化の要因とされる温室効果ガスを挙げた。

・2015年の世界の年平均気温偏差(速報値)は+0.40℃で、1891年の統計開始以来、最も高い値となる見込みです。
・2015年の日本の年平均気温偏差(速報値)は+0.63℃で、1898年の統計開始以来、4番目に高い値となる見込みです。
近年、世界と日本で高温となる年が頻出している要因としては、二酸化炭素などの温室効果ガスの増加に伴う地球温暖化の影響が考えられます。また、世界と日本の平均気温は、数年~数十年程度の時間規模で繰り返される自然変動の影響も受けて変動しており、今年の世界の年平均気温が高くなった要因の一つとして、2014年夏から続いていたエルニーニョ現象が2015年春以降さらに発達したことが考えられます。

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12月5日。筑波山中腹から夕暮れの富士山が観られた。寒さが厳しい証

まだ1週間あるとはいうものの、こうして1年の天候を振り返ってみると天変地異とうことば似合う年になってしまった。
気象庁の年が詰まってからの発表は、まさにこの1年を締めくくるのにふさわしいといえるが、この「異常気象」の一因を私たちがかかわっているということ。
改めてひとりひとりが「#空を見上げよう」へのまなざしを持ち、地球、地域を見つめていきたい。

ストーム・チェイサー【夕陽カレンダー2016】-明るいあしたへ
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ストーム・チェイサー 【夕陽カレンダー2016】 明るいあしたへ!

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